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私の新しい本について

ファッションの研究はほとんどがファッション産業もしくは有名デザイナーについてです。しかし最近、「衣装箪笥研究」という新しい分野ができています。これは、デザイナーや産業から買われた後の服がどのようなになっていくのか、という別の側面の研究です。私たちは、どのようにして買い、何を基準に選ぶのか、新品か古着か。古着なら受け継いだ物か、それとも古着屋で買うのか、保管・維持の方法、どれが貴重で、いつ着用するのか、そして最後にどの様に処分するのか。この分野は、ファッションや生地産業が人が求める商品を生産するためにも大切な研究です。

私は着物好きの人々の間で、自分の死後、着物がどうなってしまうのか、ということを心配しているということを知りました。私に自分の着物をどの様に売却するべきか、実際に見てほしいと言う人もいました。着物は人々にとって簡単に処分することができない物なのでしょうか。着物は、所謂普通のファッションとは異なる何かがあるのです。着物は素晴らしいファッションだと私は思いますが、着物と洋服を一緒に収納している人はいません。着物は単独の収納場所を要します。私は着物にはプラスαのもっと何かがあると感じ、それを解明したくなりました。

2016年から2020年に渡り、私と助手、カメラマンは、着物箪笥という個人的な秘密の場所を探求しました。私たちは、50軒の50の着物箪笥を見に行きました。何枚の着物があり、どのような種類の物があるかを記録しました。どの様にしてここへたどりつき、どの様に管理してきたのか、そしてその人の一番のお気に入りの着物とそれにまつわる話を聞きました。この本は、これらの女性の着物箪笥の中身を知るための魅惑的な洞察であり、着物箪笥の文化人類学です。私の本を通して、人にとって何がどう大切で、その人の家族の歴史や物語を知ってもらえると嬉しいです。着物箪笥「箪笥開き」


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