草履のデザインの依頼を受けた時、私の着物をより良く見せるデザインはどのようなものかとても考えました。楽しくて、明るいけれど、スタイリッシュでどのようなシーンにも合うものが良いと考えました。そして、現代的な物からカラフルなアンティーク着物まで、様々な着物に合わせられる、というこはとても重要なことでした。
草履の色はいつも課題になってきます。草履の多くは暗い印象です。なぜなら、何にでも合うようにと、グレーやベージュを選ぶ人が多いからです。しかしながら、色味にはもっと面白い考え方があります。より多くの色を使えば、より多くの着物に合わせる事ができます。そこで、私のデザインする草履は、シンプルにコーディネートするのではなく、着物姿に色彩を追加していくという考えにしました。この方が満足できると感じたからです。私は、2色展開にすることにしました。
一つは、薄い青色、梅の色にライムグリーンとオレンジ色をアクセントに使うことにしました。これは、ワインレッドや紫や青色がよく使われている、カラフルなアンティーク着物にとてもよく合うと思います。また、これはシンプルな現代着物との相性も良いと思います。
もう一つの案は、紬によく合いそうな物を考えました。紬は大抵、自然の物で染められていますので、金がかった黄色、濃い青色そして錆色を中心に使用することにしました。これは自然の色で染められた着物をより引き立て、楽しくすることでしょう。
最近、私は古い着物を解き、自分のサイズに縫い直すという事をしています。私の最初のスタイルブックの表紙にもなった、とても古い水玉の銘仙を解きながら、水玉はいつの時代もファッションにあったのだと感じました。今も昔も水玉は人気で、流行遅れになることはありません。そこで私は、丸や点を使ってデザインしました。現代風ですが、アンティーク着物とも、とてもよく合います。
岩佐さんが私の草履を作ってくださり、それが七緒の夏号に掲載された時、とても嬉しかったです。
貴方はどの草履がお好きですか?
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